アクチュアリーの転職・年収ガイド

金融・会計難易度: ★★★★★更新日: 2026年3月27日
アクチュアリーの転職・年収ガイド

年収目安: 700万〜1,800万円

なぜアクチュアリーは2,000人しかいないのに需要が絶えないのか

アクチュアリーは、保険・年金・金融における数理的なリスク評価・価格算定・財務管理を行う専門家です。公益社団法人日本アクチュアリー会が認定する正会員(FIAJ)は、日本全国で約2,000人程度と非常に少なく、最もニッチかつ高収入な専門資格の一つです。

試験は一次試験(数学・生保数理・損保数理・年金数理・会計・経済の6科目)と二次試験(生保コース・損保コース・年金コースから選択)で構成されます。全科目合格までに平均7〜10年かかる超難関資格で、一次試験合格率は各科目20〜30%程度、正会員試験の最終合格率は一桁台です。

アクチュアリーの独占業務として法律に規定されているのは、「保険料率の計算・証明」「責任準備金の計算」「生命保険・損害保険の会計書類への確認」などです。大手生命保険会社・損害保険会社・年金コンサルティング会社は、規制上アクチュアリー有資格者の常駐が必須とされており、人材の絶対数が少ない希少資格として高い年収水準が維持されています。

近年はフィンテック・InsurTech(保険テック)の台頭で、データサイエンス × アクチュアリー知識を持つ人材の需要が急増しています。また、IFRS17(国際会計基準の新保険契約基準)への対応で保険会社のアクチュアリー需要がさらに高まっています。

アクチュアリー保有者の年収:超希少資格が生む高水準報酬

厚生労働省の賃金構造基本統計調査および職業情報提供サイト jobtag「保険数理人」によると、アクチュアリーは日本の専門職の中でも最高水準の年収を誇ります。

就業形態・ポジション 年収目安 備考
生命保険会社(一次試験合格中・スタッフ) 550万〜750万円 科目合格数で評価される
生命保険会社(正会員・中堅) 750万〜1,000万円 責任準備金計算・商品開発担当
損害保険会社(正会員) 700万〜1,000万円 自動車保険・火災保険の料率計算
年金コンサルティング会社 800万〜1,300万円 企業年金の財政計算・制度設計
外資系保険会社(アクチュアリー部門) 1,000万〜1,800万円以上 IFRS対応・SOX対応で需要大
コンサルティングファーム(Deloitte/KPMG等) 900万〜1,600万円 年金・保険会計アドバイザリー
フィンテック・InsurTech企業 700万〜1,500万円 + ストックオプション スタートアップ特有の報酬体系

※年収目安は上記統計の「保険数理人」の賃金データおよび求人市場の実勢を総合して算出しています。

アクチュアリーは需要に対して有資格者が圧倒的に少ないため、業界全体の年収水準が高く維持されています。外資系保険会社や大手コンサルティングファームでは年収1,500万円を超えるポジションも珍しくありません。試験勉強中の段階でも「準会員」として一定の評価を得られ、就業環境は良好です。

アクチュアリーが活きる4つの業界と職種

アクチュアリーの求人は規模は小さいが質が高く、専門性の高い職種が中心です。

生命保険会社(商品開発・財務・リスク管理)

保険商品の保険料率設定・責任準備金計算・ソルベンシーマージン(健全性)分析などを担当します。IFRS17対応が急務となっており、財務・数理計算ができるアクチュアリー人材は引く手あまたです。大手生命保険(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命等)と外資系保険(メットライフ・プルデンシャル・アクサ等)で求人が出ています。

損害保険会社(料率計算・再保険)

自動車保険・火災保険・賠償責任保険などの保険料率計算・損失モデリング・再保険プログラムの設計を担当します。自然災害リスク評価(地震・台風等)のモデリングも重要業務で、気候変動対応の文脈で需要が増えています。

年金コンサルティング会社

企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金)の財政計算・制度設計・規制対応を行います。ウィリス・タワーズワトソン、マーサー(メルセル)、AONなど外資系コンサルが主要採用先で、高収入です。

フィンテック・InsurTech

P2P保険・テレマティクス保険・デジタル損保など新興分野で、リスクモデリング × データサイエンスの組み合わせを持つアクチュアリーへの需要が増えています。スタートアップならではの裁量と将来性も魅力です。

アクチュアリーを武器にした4つの転職ストーリー

生保・損保会社から外資系保険会社でグローバル基準へ

国内大手保険会社でアクチュアリー実務を積み、外資系保険会社に転職するルート。IFRS17・Solvency II対応の実務経験と英語力があると、年収が大幅にアップします。

ポイント: 外資系保険での採用では英語での数理計算・レポート作成能力が重視されます。準会員の段階でも外資系に転職し、正会員取得を支援してもらうケースも多いです。

生保数理から年金コンサルファームへ

生命保険会社での年金関連数理業務の経験を活かし、ウィリス・タワーズワトソン・マーサーなど外資系年金コンサルに転職するルート。年金数理人の資格が加わると市場価値がさらに高まります。

アクチュアリー × データサイエンスでフィンテックへ

保険数理のバックグラウンドにPython・R・機械学習のスキルを加え、InsurTechスタートアップや金融系データサイエンスポジションに転職するルート。アクチュアリー × データサイエンスの組み合わせは希少で、スタートアップのストックオプションと合わせて大きなリターンが期待できます。

コンサルファームから独立系アクチュアリー事務所へ

大手コンサルファームでの実績を積み、独立してアクチュアリーコンサルタント事務所を開設するパターン。人数が少ない分、プロとしての希少性が高く、顧客単価が高い業務が可能です。

保険・金融数理に強い転職エージェント

アクチュアリーの転職には、金融・保険業界に精通した専門エージェントが有効です。

  • JACリクルートメント: 外資系保険・年金コンサルのハイクラス求人に強い。アクチュアリー専門エージェントとの接続が期待できる。
  • ロバート・ウォルターズ: 外資系専門エージェント。外資系保険・フィンテックのアクチュアリー求人を保有。
  • ビズリーチ: ヘッドハンティング型。アクチュアリー正会員向けの高単価案件が非公開で流通。
  • アクチュアリー会(公式)のキャリア支援: 公益社団法人日本アクチュアリー会が会員向けに求人情報を提供している。専門性の高い非公開求人を把握できる。

アクチュアリーと掛け合わせて年収を伸ばす資格

アクチュアリーと組み合わせることで、キャリアが加速する資格・スキル:

関連資格・スキル 相乗効果
CFA(米国証券アナリスト) 資産運用 × 保険数理の組み合わせ。保険会社の運用部門・年金ファンド運用へのキャリア
データサイエンス(Python/R/機械学習) 予測モデリング × 保険数理でInsurTechに最適な人材に。市場価値が急上昇
FRM(金融リスクマネジャー) 市場リスク・信用リスク管理の知識。金融機関のリスク管理部門での活躍に
証券アナリスト(CMA) 投資分析 × 保険数理。生保の資産運用部門での幅広い活躍に
MBA 経営戦略 × 数理の組み合わせ。保険会社の経営企画・CFOへのキャリアに

この資格の試験日程は 試験日程カレンダー で確認できます。

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